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ミッション分解・車部は楽しいぞブログ②

日付が変わり社会人になってしまいそうな泉です。一つ前の記事の続きです。

……そして試験が終わり(オワり)、2月になったので作業再開です。もし卒業できることになれば3月初めには荷出しをして家を引き払わないといけないので、急ピッチで作業を進める必要がありました。というわけで前記のプーラーを購入し5速を分解し、その後はまあまあ簡単にミッションがバラバラになりました。

今回のプチOHで見てみたかったのはLSD(クスリではないほう)です。クラッチミートの異音以外にも、デフの挙動もおかしい感じがしたので見てみたかったのに加えて、「俺L.S.D.自分で組んだんだよね(ニチャァ)」って言ったらいい感じにイキれると思ったのが理由です。
LSDの仕組み・分解については弊部OBの吉原さんが昔記事にしてくれているので、良い子の皆さんはそちらを参照ください。

というわけで分解する前に、まずはガバガバイニシャルトルクチェックです。デフケースをジャッキなどの重量物と自身の体重で固定し、ドラシャを差し込んでトルクレンチで測定しました。滑ってしまってあまりうまくいきませんでしたが、多分8キロくらいだったみたいです。最初に組まれた時の設定はわかりませんが、おそらくそんなにイニシャルトルクは下がっていないようです。

実際に分解してみたところ、種類はクスコのタイプRS(バネがあるやつ)だとわかりました。プレートは厚みにばらつきがあり確かに摩耗してはいるようでしたが、ケース・プレートともに傷や極端な減りはなく、デフ自体に問題はなさそうです。僕が入手してから3万キロ以上はOHなしで走行しており、そもそもいつ・走行距離何kmの時点で組まれたかさえ不明のガバガバ管理LSDでしたが、まあ良さげです。なのでもう一度組み直して元に戻しました。

デフケースに入れる時に逆向きに入れたせいで、-1.5WAYという不思議なデフで走っていた人も世の中に入るらしい。僕は間違えずに組めました(1WAY)

次にせっかくミッションが降りているのだからということで、クラッチの様子も見てみました。この車はORC(小倉レーシングクラッチ)のメタルクラッチが入っており、クラッチを切るとシャラシャラ音が鳴ります。スポーツカーっぽくない見た目×シャラシャラクラッチ×バキバキのデフのマリアージュのせいで、都内を走るとたいていの人が振り返り眉をひそめる、素敵な車です。

外してチェックしてみても、クラッチにも異常は見られませんでした。今後の街乗りを考えてもう少しマイルドなものに変更しようかと思いましたが、ORCはフライホイール・カバーから専用品である一方で、手元には純正品のフラホ(ORC以外のクラッチ装着に必要)が残っておらず、金欠の僕はクラッチ交換を断念しました(無念)。

ミッションのギア自体にも特に傷等はなさそうで、結局異音・振動の原因はわからないままでした。仕方ないのでオイルシール等を交換し、清掃後組み直して車に載せ直します。
ちなみにこの車は1速で40km/h程度しか出ないのでクロスミッションでも入っているのかなと近来思っており、今回ギアの歯数をチェックする機会ができたので数えてみました。しかし計算するのがめんどくさくなったので結局ギア比は不明です(社不)。誰か暇な人計算して教えてください。

ここで運命の2/14が訪れます。そう、バレンタインデー成績発表日です。ガレージで作業していたので高血圧・動悸を起こしながらスマホでチェックしましたが、何とかギリギリ卒業要件を満たす単位を取得できていました。取得できてなかったら今頃僕は放浪の旅にでも出ていたでしょう(探さないでください)。卒業が決まった(正確には卒業できそうだと自己判断した。東大法学部は卒業可否を教えてくれないのです)ことで勢いづいたので、ここからはどんどん作業を進めます。ちなみに卒業はもらえたものの、チョコは貰えなかったというのは秘密です。

ときメモ2の主人公は4個もらっても「まあ、こんなもんだろう……。」と不満らしいです。ぶん殴ってやりたいですね

ところでこの車は後方排気のためエキマニ・タービンがバルクヘッド側にあるので、ミッションを下ろすことによって初めて愛車のタービンを見ることができました。ついでにネットには情報のなかったTRDターボ専用のタービン品番もわかったので、特別にここで公開します。しかし公開したところで廃盤部品なので何の参考にもなりませんが。

組む時は特に整備書をよく読んで元通りにしていきます。リバースアイドラギアシャフトの向きを正しく揃えておかないとボルトが入らないなど、一回読んだだけでは理解できず結局もう一度ケースを開ける羽目になったりとカスムーブを繰り返しました(カス)。カス部員で大した整備もしてこなかったので、今回初めて液体ガスケットを使ってみました。整備書ではトヨタ純正のシオコンブみたいな名前の製品を指定されていましたが、高くて買えないので社外品一択です。どれくらい塗ったらいいかわからないので、適当にガバガバ塗ってみます。

いちばん手前に見えるのが忌まわしきリバースアイドラギアシャフト

そんなこんなで4速までをケースに納め、5速の圧入です。整備書ではSSTを使っていましたが、そんなものあるわけないので片方はナットで締め込み、もう一方のギアはデカソケットを当てがってハンマーで殴ってたら入りました。ギアが欠けかねないので丁寧に作業したい方は気をつけましょう。

あとはシフト周りのパーツを取り付けミッション自体は完成です。
載せる際も大変でした。相変わらず空間が狭いので、数人がかりでエンジンを傾けてもらったりミッションを支えてもらったりして何とかエンジンと結合させることができました。

無事ドッキング
数ヶ月ぶりの着地

何とか目標の3月初旬には作業が終わり、引っ越し準備にはギリギリ間に合いました。
そして肝心な車の調子は……最悪!!バラして組み直しただけで何も修理していないので当然と言えば当然ですが、結局異音・振動が復活してしまいました。ただし一つ言えることは、さすがにここまでバラしてチェックし清掃もしているので、おそらくミッション内部が原因ではないだろうということです。それに加えやはり百聞は一見にしかず、本やネットで見ていてもよくわからなかったミッションの動きが、実物を自力でバラし見てみることでよく理解できました。自分の乗る車のことをより深く知ることができるようになるのも、自動車部の醍醐味です(今更)。

卒業できた証拠

結局車の調子は治りませんでしたが、その後おそるおそる移動して何とか引越し先までヴィッツ(+足車のエッセ)を持ってくることができました。今後しばらくは生活環境の変化でそう簡単には重整備ができそうにないので、余裕ができたらどこかのショップに預けてみようと思います(人生初)。

とにもかくにも、最初で最後の重整備は非常にいい経験になりました。この場をお借りして、お世話になった近所のNさん、部員たちに御礼申し上げます。

自動車部を検討しているそこの君!車の整備は難しいように見えるかもしれないですが、ここまで読んできたらお分かりの通り整備力皆無のカス部員でもミッションバラしぐらいまでできるようになります!最初はタイヤ交換の方法から先輩に教えてもらって、気がついたらメキメキ力がついていく過程は楽しいので、ぜひ一度ガレージに遊びにきてください(後輩諸君がいるはずです)(無責任)。

もちろん整備よりも走りに興味があるそこの君も!今年も新歓イベントが計画されている(と思う)ので、まずは部員にコンタクトを取って見てください!UTAC一同皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!!

それではごきげんよう。今後とも東京大学運動会自動車部をよろしくお願いいたします。