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コルトのLSD取付 Part.2 CUSCO製LSDの基礎知識andオーバーホール編

こんにちは、OBで修士1年の吉原です。前回はコルトとゲトラグに関して語って終わってしまったので今回は有益な内容を書きたいと思います。

前回買ったLSD入りのミッションはLSDのOHが必須と書かれていたので、OHやりました。結論から言うとLSDのオーバーホール自体はあまり難しくありませんでした。セッティング出しをしようとするとノウハウが必要になるのでしょうが、今回はそこまで気にしません。シム増しについては岐阜大自動車部の方が書いているので合わせて読むのがいいかもしれません。今回のブログは色々調べた時に分かったクスコのLSDの知識と実際にOHした時のことを書きます。

岐阜大自動車部の記事
https://www.mr-haisyaman.com/mechanical-lsd-diy.html

 

クスコLSDの基礎知識

クスコのカタログより

上の図に描かれているものはほとんど互換性がある部品となります。車種専用となるのはサイドギアとLSDケースだけです。LSDケースは純正のデフ玉の大きさで決まりますし、サイドギアはドラシャが刺さる場所なので車種専用です。それ以外は互換性がありバラで買う事ができます。カム角を変えたい場合はプレッシャリングを買い、クロスシャフトが砕けたらそれだけ買って直せます。素晴らしいですね。

しかし、全部が全部同じではありません。クスコのLSDはAサイズからDサイズの4つのサイズに分けられます。これはLSD内のプレートの大きさで分けられており、Aサイズが一番大きいのでハイパワー車などに使われるのだと思います。

今回オーバーホールするコルトのLSDはCサイズになります。他にもNB以降のロードスターやインテ、シビック、S2000、インプレッサ、ランサー、ミラージュなどのシャブカーの多くはCサイズです。Cサイズの部品を持っていれば上記の車種はLSDがブローしてもすぐに修理することができるのですね(ケースとサイドギアが壊れることはほとんど無い)。またCサイズの1.5wayデフが部に転がっていたらミラージュなどにぶち込む事ができます。後輩の諸君は自分か清水に言ってくれればプレートをあげる事ができますので機会があったらどうぞ。

typeRS, typeMZの説明は省略します。中の部品が少し異なるだけでどちらもほぼ同じ部品が使われており、互換性があります。

さて、クスコからはLSDリペアキットというものが販売されています。ここにはプレートが数枚入っていて、プレートの大きさと枚数で何種類かの品番に分かれています。厚さが異なるプレートも余分に入っているのでこれを買うだけでセッティング変更もできます(たぶん)。プレートは一枚ずつ買うこともできますが複数入れ替える時にはリペアキットを買った方がお得です(たぶん)。

今回はリペアキットを買っての作業になります。

 

 

LSDのオーバーホール

前回取り出したデフ玉からLSDのみを取り出します。

15mmという謎規格のボルトをインパクトで取り外し、ギアとLSDを分離します。

インパクトは便利
ちなみに自分のはAliexpressで買ったマキタのパチモン

4つのねじを外すとLSDを開く事ができました。インパクトドライバーを使って取り外す予定だったのですが、ネジは手で回す程度の力で結構簡単に取れました。イニシャルトルクが掛かっていて固いと聞いていたのに謎ですね。

LSDはネジ4本とギア留めるボルトで閉じられている

LSDを開けて中を取り出すと、内爪プレートが1枚だけ割れていただけで他はほとんど磨耗もありませんでした。内ヅメがかけるのはよくあるデフブローの仕方みたいです。自分が前ミラージュ乗っていた時にブローさせたデフ(そのまま取っておいてある)もこんな感じなのでしょうか?内ヅメが欠けると車両はどういう挙動になるのかも気になりますね。

手が臭くなるので手袋した方がいいです
割れたプレート。よくあるLSDブローの仕方らしい。

内爪プレートを1枚だけ買うだけでよかったかもしれません。

今回は全てのプレートを変えることにしました。せっかく買ったのだから使わないとモッタイナイの精神です。後で聞いたら清水が内ヅメプレートを持っていたのでわざわざ買う必要もなかったんですよね。

競技に慣れている人だとLSDの慣らしをするのを嫌って割れている1枚だけ変えたりするそうです。

ですが、ATSのYouTubeによると8の字旋回を30回することで慣らしは完了するらしいです。そんなもんか〜って感じですね。

さて、LSDを調べてみると1.5way&1.5wayで後退は両方15度、前進側で45度か35度で選べるタイプである事がわかりました。どうせ1wayが入っているだろと思っていたので意外でした。自分はジムカーナやサーキットでの使用を考えているため1.5wayでもOKです。

35度&15度
45度&15度

というか1.5way&1.5way?珍しいですね?

この部品(プレッシャーリング)はクスコからバラで買う事ができる(上記)のですが、このタイプ、クスコのカタログにないぞ
いくら調べてもCサイズで1.5way&1.5wayの設定がないですね…。あと、クロスシャフトも断面が円形なものはないです(断面がD型の物しかない)。ここでかなり混乱してクスコのデフに関して調べまくりました。プレッシャーリングのバネの入れる溝が現行のものより少ないことから古いモデルなのだと結論付けました。古いものの情報は出てこなかったのですが、たぶん中古LSDの前オーナーが色々いじった設定なのだと思います。

当初の予定だと擦り減っているプレートを交換して組めばクスコの吊るしのスペックになるやろって予定だったのですが、そうはいかなくなってしまいました。まあでも、入っていた中古デフも吊るしではなく弄られていたものなので一応のセッティングは出しているのでしょう(願望)。厚さは入っていたものと同じのを組んで不満があったらデフを組み直すことにしましょう。

全て新品に入れ替えて組み直していきます。プレートはノギスで測ったところ外爪プレートが1枚だけ1.8mm、それ以外は全部1.6mmでした。プレートにはギアオイルを塗りながら組み込んでいきます(FFなので)。

新品プレート

タイプRSなのですがバネが上手く溝に収まってくれなくて時間取られました。組む時には前後も確認しましょう。ばらす前に写真を取っておく必要があったのですが、クスコのリペアキットの説明書にも書いてありました。最後にネジを対角線の順番に締めて、インパクトドライバーで2回ほど叩いて締めたら完成です。

収まってくれたデフ
前側45度の1.5wayを使用します
LSD440はこの向きらしい
インパクトドライバで最後の締め付けをします!

ギアを取り付けるのにボルトに赤いネジロック(一番強いやつ)を塗って締めていきます。YouTubeに上がっていた海外勢の整備動画ではインパクトで全て締めていましたが、自分は不安なのでトルクレンチ使いました。

LSDのオーバーホールは以上です。あとはミッションに組み込んで実車に載せるだけですね。いつになるのやらわかりませんが10月中にはできたらいいなあ。

ではまたPart.3で会いましょう