コルトのLSD取付 Part.1 コルトのミッション基礎知識編

2021年9月2日2021年9月2日Blog担当部員UTAC、整備、雑記

お久しぶりです。OBになりました吉原です。半年前に書いたブログが最後と言いましたが嘘です。また書きます。

先日、大学1年の頃から4年間乗っていたミラージュを後輩に譲り、自分は三菱コルトラリーアートに乗り換えました。ほぼノーマルの状態で買ってきたのですが、ジムカーナに行った時にオープンデフに腹が立ち、LSDをぶち込むことに決めました。まだ車両に組めていないのですが、これまでに仕入れた情報や色々をここで勝手に放出したいと思います。

まずはコルト乗りにしか要らない知識からです。

コルトラリーアートはドイツのゲトラグ社のミッションを搭載しています。鍛造で作られるゲトラグ社のミッションは耐久性がありフェラーリやポルシェ、BMWなどで採用されている実績があります。しかし、ゲトラグ製とは厄介なもので三菱内ではミッションを開けることができないという縛りがあり、ギアがブローしたらASSY交換になるらしいです。ちなみにコルトにはリバースギアが弱いという弱点があります。怖いですね！

さて、コルトラリーアートver.R(Z27AG)のミッションは調べると、どうもゲトラグ社製の453という品番のものらしいです。ちなみにターボの無いコルト1.5C(Z23A)のミッションはゲトラグ452というものです。三菱の整備書を見てもZ27AGとZ23AではミッションASSYの品番が違います。写真を見比べてもZ23A用は小さく感じますし、ギア比も異なりますし、ドラシャも流用が効かないみたいです。コルト1.5Cは全日本ラリーのJN-1.5を目的としたモデルですので力を入れて設計したのでしょう。~~三菱はそういうアホな事をよくやりますよね。~~

ミッションが違うということはもちろんLSDも物が違っています。余っているのか知りませんが、コルト1.5CのLSDは新品でも半額の5万円くらいで売られており、安くて買いたくなってしまいますがZ27AGには装着する事ができないという罠があります。

　コルトのLSDは国内だとクスコしか作っていませんが、国外に目を向けるとクワイフ社がトルセンLSDを製作しております。なお、このクワイフ社のトルセンLSDはBMWミニクーパーS(R56/R53)とフォードフォーカスST170にも適合します。調べると、クーパーSとフォーカスにはゲトラグ285というミッションが使用されております。つまりゲトラグの453と258のデフ玉の規格が同じらしく、これらの車種のLSDは流用する事ができるらしいのです(ドラシャのインナー側のスプラインも同じ)。実際に海外にはATSのクーパーS用のLSDをコルトに入れた先駆者様が居て、その人の実際に装着したブログを見る事ができます。先ほどコルトのデフを作っているのはクスコだけと言いましたが、国内ではOS技研がクーパーS用のLSDを販売しています。OS技研カタログにコルトのLSDの設定はないのですが、入れようと思えばクーパー用を入れる事ができます(自己責任でオナシャス)。また、コルトはヤフオクでの中古デフの流通が非常に少ないです。そこで比較的よく売りに出されるクーパーS用のデフを買うというライフハックも可能です(自己責任で)。

外国人先駆者ニキのブログ
https://ayu452.blogspot.com/2012/10/lsd-ats-carbon-cbfb8710.html

また、コルトもクーパーSもクスコのLSDを入れるためにはクスコが出しているサイドベアリング(片側9000円、2個必要)を買うようにと書かれていますが、これはクスコの専用品でなくてもOKです。同じ規格のものが各ベアリングメーカーから販売されています。汎用品を買うと両側合わせても9000円にもなりません。クスコもどこかのOEMだと思われるので大丈夫！ヨシっ！
規格はLM501349というものです。モノタロウかアマゾンで調べてください。

ベアリングの装着にはプレスでの圧入が必要となっていますが、板などを挟んで垂直にハンマーで叩いて圧入している人もみんカラで見つけました。