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スイスポにLSDを入れてみたゾ

こんにちは、2年の海老原です。昨夏に僕のスイスポ(zc32s)にLSDを入れました。

今年の1月にzc32sを納車したのですが、先輩にはデキ車を購入することを強く勧められたものの車が早く欲しいという欲求に抗うことができず、そこそこの程度の車をノーマル状態で納車しました。その後にどんな苦労があるかも知らずに…

ジムカーナ車を作るにあたり車高調、シート、LSD、パッド等々、改造しなければならないところは色々あるのですが、改造費を聞くたびに高いなぁ〜と思いなかなか踏み出せないでいました。

去る7月、ヤフオクに中古のデフが転がっていたので61000円で購入。商品説明欄には「ATS 1WAYと”思われます”。バラしてないのでカーボンかメタルかは不明。」となんとも怪しげな得体の知れない感じがありますが、購入を決意。LSDは普通外すものでもないのであまりヤフオクとかには出回らないのですが、出品者は1.5WAYに変えたらしいので出品したようです。商品が到着するまでは状態がわからない、ギャンブルみたいなワクワク感。たまりませんね。

到着して早速中身を確認(ワクワク)。デフを開けてみて中のクラッチ等の状態の確認とカーボンかメタルかの特定をします。

中のクラッチ板ですが欠けもなく、綺麗な状態でした。数十枚あるクラッチ板の半分(たがいちがい)に黒い四角い板がこんな感じについていました。メタルクラッチにこんなものはついていないだろうということでカーボンクラッチだと自分を解らせることにします。定価約15万するデフを6万1000円で購入できたということでこのギャンブル大勝ちですね。デフフッ

夏休みに入り時間ができたので早速デフをブチ込みにかかります👊。この時点で七大戦まで残り3週間。まずいですね。そういえばLSDって薬物の名前にもなっているみたいですね。友達にLSD入れるんだよねって言ったら引かれました。まあ入れたらキマるという点についてはどちらも一緒ですね。

まずミッション降ろしからです。作業としてはそう難しいことはなく、ドラシャを抜き、ミッションについているもの(シフトワイヤー、クラッチフルードのホース、配線等)を片っ端から外しミッションを外すだけです。ミッションくらい下ろせないとお話にならないのですが、これが大苦戦!走行距離14万キロでおそらく一度も足回り等をバラしていなさそうな車で、尚且つ前のオーナーの所在地が新潟県だったっぽいので、サビまではいかないにしろ足回りの固着がひどい。ハブボルトを緩めるのに多分600Nmくらいトルクをかけた気がします。その他ありとあらゆるボルトと悪戦苦闘しながらなんとかミッションを降ろします。本番はここからです。まずリバースのセンサーとシフトシャフトを外してから数多のボルトを外します。そしたらミッションケースを開けていくのですがガスケットでピッタリと張り付いているのでタイヤレバー2つを画像のようにテコの原理を用いてグイッと開けます。

トランスミッションとの感動の対面です。なんともメカメカしくてエモい。6速ってすごくギチギチですね(かといって5速の中身を見たことがあるわけではないが)。5速のミッションでは5速だけ別にあるケースがよくありますがスイスポは6速のくせにミッションケースを開けただけですんなりと全部出てきてくれるので大変楽です。ちょっと驚きだったのはリバースにもシンクロナイザーリングが付いていたことです。ということは切り返しの際に停車しなくともリバースに入れていいということですかね。このシンクルナイザーリングの存在価値を認めてあげるためにもたまには停止せずにリバースに入れてあげましょう(やめましょう)。

次にデフ(上の画像左の方にあるでかいやつ)を取り出します。シャフトをずらさないと取れないのですが、リバースのシフトフォークとシフトシャフトからの入力部の間にあるブラケットのネジを外していろんなところが動けるようにしてあげます(このときブラケットのところに固定されていない四角い部品があるので紛失注意)。そしたらアウトプットシャフトを持ち上げて浮いた隙間からデフェレンシャルギアを引き摺り出したいのですが、インプットシャフト、アウトプットシャフト、リバースギアがそれぞれはすば歯車で噛み合い、一方を持ち上げようとすると他方が一緒に動いてくるので結局全部一緒に持ち上げます。なかなかシャフトが外れてくれないので結構強引に「オリャッ」と持ち上げたのですが重い鉄の塊なので連続デットリフト状態です。翌日脊柱起立筋の筋肉痛必至。誰かもっといいやり方があったら教えてください。アウトプットシャフトがズレてくれたらデフェレンシャルギアを抜き取ります。

ここでどこから出てきたかわからない小さい部品が二つ!!💦このときはとりあえず放置して先に進みました笑。後ほど部品の正体が判明したのですが、四角い方は前述のリバースのブラケットのところの部品で、もう一方はリバースのギアの中にある部品でした。インプットシャフトとアウトプットシャフトは歯車等が全部一緒になってるので部品の紛失はしないのですが、リバースに関しては簡単にバラバラになる構造なので注意が必要です。あとリバースのシフトフォークの中から小さいバネとボールが出てくることもあるので注意(これは最悪なくてもすふとに入った感がなくなるだけで動くのでセーフ)。

デフが取れたらボルトを外してリングギアとデフェレンシャルを分離します。デフサイドベアリングをあらかじめ圧入したLSDを外したリングギアに取り付けます。そこら辺のトルクは勝手に調べてください(適当)。リングギアは再利用ですがデフサイドベアリングは再利用できませんでした。ワンチャン再利用できるんじゃねと思ってオープンデフについてるベアリングを取ろうとしましたが無事思いっきりひん曲げて使い物にならなかったので大人しく注文しましょう(うまくやればできるのか?)。左右で5000円くらいする。部品到着まで1週間かかりました。しれっと大幅な時間ロス笑。

バラバラミッションの図。

あとは逆の手順で組み立てるだけです。合計30~40キロほどありそうなデフ、シャフト2本、リバース、シフトフォーク等をうまいことがっちゃんこさせます。大事なのは運と気合いです。ガチャガチャやったらなんか入ります笑。

ミッションカバーを被せ、シフトシャフトをつけようとしたらなぜかシフトシャフトが動かなくなってしまいました。原因は不明。どう頑張っても動かないしどこが引っ掛かっているのかも解らないのでミッションケースのでかい方を下にして、通常とは上下逆の状態でミッションをもう一回開けました。これ思いついた時は流石に天才だと思いました。早くミッションを載せたいという焦りから起こってしまったのですかねえ。焦ってる時ほど慎重にいきましょう。

ミッションが組めたら載せましょう。スペースが全然ないので大変です。ミッションを下ろすときにメンバーを外さずに降ろしたのでスペース馬鹿狭い。ミッションのリア側を上にして持ち上げ、ミッションがあるべき場所まで到達してからミッションを回転させてなんとか入れます。最低2~3人いるといいでしょう。マッチョじゃない限り1人は普通に無理です。あとの手順は省きます。スイスポのミッションを載せる手順など渋谷の宮下パークでtiktokを撮っているJKの数くらいに巷に溢れてるでしょう。てかミッションの構造とか32と33でほぼ一緒です(3速のシンクロの構造が違うくらい)。

もう作業も終わるという頃にクラッチフルードのエア抜きができなくなってしまいました。ミッションを下ろすときクラッチフルードのホースを外す際に、クラッチをフルードがあまり出なくなるまで何十回か踏むとネットに書いてあり(今考えるとほんと意味わからん)、クラッチフルード関係の知識がない僕は鵜呑みにしてしまったのが原因です。フルードの経路のどこかにエアが噛んでしまい、何回エア抜きしようとしても全然抜けてくれなかったっぽいです(これも謎)。結局負圧を使ってクラッチ側から引っ張り出しました。なんかクラッチ重くなった笑。スイスポのクラッチ軽すぎたのでこれくらいがちょうどいいですね。

長い長いLSDの組み付けもとうとう終わり。いつ終わったかというとなんと七大戦出発の前日!めちゃギリギリです。なんだかんだで3週間もかかりました。当然練習する時間など無かったため七大戦で結果を残せるはずもなく11台中7位の結果に終わったことは秘密です。

LSDの組み付けをやってみた感想としては意外とやってみたらいけるもので、ショップに投げる費用が浮いたのは激アツです。スイスポのミッションが整備性がいいということがプラスに働いてくれました(このミッションじゃなきゃきびしかったかも)。他大学ではLSDをつけるときはミッションだけおろしてショップに投げる人もいるようですが、せっかく道具も時間もあるのだから自力でLSDを入れてみるのもいかがでしょうか。