新入生ブログ⑧
25年度新入部の中野隆士です、よろしくお願いします。ただブログをサボっていただけで春入部です。
車好き歴は3歳の頃からでしょうか。当時はシンガポールに住んでいて、毎年10月に開催されるF1シンガポールグランプリで、国全体がF1ムードでした。そのなかで幼少期を過ごし一度は車好きになったものの、小学校中学校と自動車にあまり関わりのない生活を送りました。しかし、高校になりまた次第に車が好きに。きっかけは談合坂SAでFerrari F355 berlinettaを発見したことでした。オーナーの好意で運転席に乗せてもらい、エンジンまで踏ませてもらった高校生の時の自分は、F355の3.5L V8のF1 サウンドに首っ丈になりました。人生で最初にアクセルを踏んだのがF355というのは密かながら自慢ポイントです。

そんなF1とフェラーリから離れられない私の車好き経歴ですが、やはりフェラーリをはじめ外車のエクステリアには特別な思い入れがあります。自動車部の「車は速いことが正義。かっこよさは不必要。」理論を覆すべく、”1番かっこいい車はどれか”という問いに、ついに今日は答えを出します!
○「かっこよさ」という存在の性質
まずそもそも「かっこよさ」は車という物体の属性なのか、それとも人間の意識の中に生じる現象(つまり走りや昨日から感化されるもの)なのかが問題です。たとえばフェラーリF355のF1サウンドを「かっこいい」と感じるとき、その「かっこよさ」は車のボディ自体に内在しているのか、それとも私たちの文化的背景・感性が構成しているのか。 メルロ=ポンティが言うところには、「かっこよさ」は知覚と対象とのあいだに現れる現象的存在と捉えられるわけですが、中間のどこに位置するかが人それぞれであることは言わずもがなでしょう。ここまでの議論は国産車・外車どちらにも共通です。
特に外車の場合の知覚・対象としてのかっこよさとは一体何なのか、それを考えてみます。
○外車の「存在様式」ー 対象としてのかっこよさ
”日本人”として”外国のもの”である外車を好きである以上、外車は「異国性」を帯びた存在であり、単なる交通手段ではなく文化的記号としての存在をもちます。たとえば、フェラーリやランボルギーニは「イタリア的情熱」「美学的過剰」の象徴として存在し、ロールスロイスやベントレーは「イギリス的重厚」の象徴として存在します。つまり、外車のかっこよさは技術的完成度だけでなく、文化的他者性が作り出す「意味のオーラ」として現れるわけです。「外車はかっこいいからなぁ」と国産車と外車を線引きしてしまう我々の無意識は、この「意味のオーラ」の違いに依るでしょう。これはメルロ=ポンティ的には対象としてのかっこよさということになります。
余談ですが、(BRZ86・GRスープラなどの特殊な例を除くと)外車と国産車の対象としてのかっこよさは根本的に線引きができると私は考えています。つまり外車の「存在様式」と国産車の「存在様式」は両立し得ないということです。このことは、前述した外車が必然的に帯びる「異国性」に依拠します。
○「機械」としての存在論 ー 知覚としてのかっこよさ
先ほどまでの議論に逆行するようですが、忘れてはいけないのは、車は全てを差し置いてまずは移動手段であるということです。移動をするによってはじめて、知覚としてのかっこよさが生じます。ハイデガー的に考えると、車は「道具的存在(Zeug)」であり、「…するために(in-order-to)」という目的‐文脈の中で理解されると言います。このような意味での”かっこいい”という気持ちは、全車好きの根底にあるではないでしょうか。わかりやすく言うならば、”「ブーブー速くてかっこいい」とはしゃぐ赤ちゃん” “走りの良い車が好きな車好き”が抱く気持ちのことです。
また、同時にハイデガーは道具を通じて「世界=意味構造」が開示されるという意味で考えます。ハイデガーは、私たちが道具を扱うことで、その道具が関わる「目的」「使用‐関係」「参照‐関係(他の道具・作業とのつながり)」などがあらわになる(=世界があらわれる)と論じています。
つまり、車で経験したことのない速度やスリルを感じてから車の虜になってしまう、F1サウンドに魅了されてしまう、というのは車の世界への扉が開いたと言うことなのです。
○「総合的なかっこよさ」への統合
冗長になってしまいましたが、つまるところ「速さ」もかっこよさに内包されているわけです。速ければ格好良さは二の次というのは、ただ自分が車のかっこよさに魅了されていることに気がついていないということにすぎません。きっと「かっこよさは不必要理論」はフェードしていくでしょう!
○さいごに
最後に私が好きな車を羅列させてください!今年度から始まった私の車人生ですが、いずれはこれらを所有したい、、、、
① Ferrari F355 berlinetta

原点的存在です。フェラーリの原点的V8ミッドシップであり、クラシックモデルと現代のモデルを繋ぐモデルでもあります。ネオクラシックとして、全てのフェラーリ的要素を含むアイコン的存在なのではないかと感じます(何よりも音が最高!)。人生をかけて消費者金融のお世話になってでも買うつもりですので、万が一オーナーの方読んでましたら教えてください。
② Ferrari 330P4

かっこいいですよね〜、外観的かっこよさならば個人的に一番かもしれません。フォードvsフェラーリでGT40の敵として出てくるこの車ですが、見るたびに「今回は330p4が勝たないかな〜」って思ったりしています。まぁ市販車ではないのですが。
③ Porsche 944

特にs2が良いですね。このリアウィンドウの巨大な感じがたまりません。たま〜に激安で売られていることがあって何度買いたいと思ったことでしょうか。FRのこのポルシェ、「911でなければポルシェにあらず」と非難されることが絶えません。一方で、当時の空冷911と比較しても944の方がスポーツ性能が高かったという話もあります。FRでもきっちりと良い車を作る、この技術力こそポルシェなのでは?
⑥Lotus Esprit

なんてかっこいいのでしょうか。エスプリの良さは説明不要ですね。前期中期後期全部好きです。
▪︎番外編
車趣味のこんな偏向性のせいで、私は一向に車が買えません。私以外の1年生はみんな自分の車を見つけているんですよね。今までに挙げた車は高すぎてとっても買えないわけで。。。ここからは、私が今狙っている車を上げていきます。もはや外車も国産車も関係ありません。
⑤ Mazda ロードスターRF

トップからリアの流線型が良いですね。これ2Lでライトウェイトだし、オープンになるし、かっこいいし、現状最高の選択肢だなと思いながら探してます。沢山走っているので人と被りそうだな〜という懸念はあります。
⑥Toyota MR2

お気づきかもしれませんが、私は長いノーズとリトラクタブルヘットライトの90年代的デザインが大好きです。そのような意味で買える&かっこいい&速いというMR2は欲しくてたまらない車です。問題は年式が個体によっては30年以上たっているということ。買いたい気持ちと維持費が怖い気持ちでいっぱいです。
さて、どの車にしよう。ワクワクしてます。
